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吉成カフェ"Zacばらん"(第六回)

 
吉成カフェ“ Zac(ざっく)ばらん”(Z:zest, A:action, C:coordination)と称し、
気楽なサロン形式の会を定期的に行います。
研究シーズを事業化するために参考となるような企画をしています。

【日 時】 2010年2月15日(月)18:00〜20:05
【会 場】 JSTイノベーションプラザ宮城 2階 交流ラウンジ
【テーマ】 地域産学官連携の戦略的な展開に向けて
【話し手】 増子 宏 氏
文部科学省 科学技術・学術政策局 科学技術・学術戦略官(地域科学技術担当)
【内容】  
 現在、科学技術・学術審議会基本計画特別委員会の中間報告を基に検討されている「地域産学官連携戦略」に関して、「日本の現状」「地域科学技術振興の背景と動向」「これまでの地域科学技術施策」をレビューした後に、「平成22年度の科学技術施策」を述べ、それらを踏まえて「今後の科学技術振興の方向性」「クラスター形成のあり方」に関するお考えをお話頂きました。その後、このお話を基にして、質疑・応答、提言・議論が活発に行われました。

 世界と比較した日本及び日本の科学技術の現状は、纏めると下記のようになります。
(1) 国内総生産(GDP)の年を追うごとの低下
(2) 国際競争力の低下(その中でサイエンスのインフラは2位と高位維持)
(3) 研究費総額の低い政府負担割合
(4) 高等教育部門における研究開発費の伸び率低調(特に臨床医学系)
(5) 世界における日本の大学の低いランキング
(6) 産学連携における学の事業化意識、スピード感のなさ(民間企業の海外大学への研究費投資増)
(7) 海外への特許出願の低比率
(8) 科学技術関係予算の伸び率低調

 地域科学技術振興が必要な背景は「グローバル化の中で日本の国際競争力を強化するためには、地域におけるイノベーション、新事業創出による国の活力の維持・強化が必要」ということであり、その中で学に期待される役割は「教育、研究、成果提供」の3本柱です。

 これまでの科学技術基本計画における地域科学技術の変遷を見ると、基盤作り(H8〜12)、知的クラスター形成による地域主導の産学官連携推進(H13〜17)、小規模地域クラスター形成による政策発展と着実に推移してきました。しかしながら、都道府県等の科学技術関連予算削減(特に公設試予算)、公設試研究者減?の状況が続いています。

 平成22年度の科学技術振興施策に関しては、事業仕分けによる地域科学技術、産学官連携の廃止を受けて、予算の減額、見直しが行われ、イノベーションシステム整備事業として1本化をはかり、「グローバル型」(世界レベルクラスター)と「都市エリア型」(小規模地域クラスター)に分けて推進することになりました。

 今後の地域科学技術振興の方向性は、科学技術・学術審議会基本計画特別委員会の中間報告を踏まえて、年末に閣議決定されました。事業仕分け時にはなかった新しい戦略です。キーワードは「地域イノベーションシステム強化」であり、「広域的地域連携促進」「府省間連携強化」「地域中小企業と協働した学の地域貢献機能強化」「研究開発・技術実証・社会還元までの一貫したシステム構築」という推進方策の基に、6つの戦略分野の基本方針を具体化する作業を現在行っており、平成23年度に完成する予定です。

 クラスター形成のあり方としては、従来の企業城下町型、産業集積型、工業団地型ではなく、網の目構造のネットワークを形成するものであるとし、その形成に必要な活動・手段を挙げて頂きました。最後に、地域の産学官連携における失敗事例を踏まえて、成功のポイントが指摘されました。キーワードは「優れたシーズと企業との真のマッチング」であります。

 このお話を基にして、フロアーからたくさんの質問、提言等が出され、それらに関する議論が活発に行われました。これらすべてを網羅できませんので、主だったものを下記に記します。
(1) 産学官連携も最後は人次第。10年かけた人材育成はどのようにあるべきか。
(2) アメリカ海軍のような国が行うリーダー教育の必要性。
(3) 大学発ベンチャー成功のための企業と大学の相互交流の必要性。
(4) 産業化(事業化ではなく)を目的としたイノベーション創出の仕組みの必要性。企業における事業化経験のある人(研究者ではなく)が学と連携しないと産業化はできない。
(5) 高専の入学を仕切っている中学の教員採用方式が問題。理科系の中学生の入学が?ない。
(6) 事業の審査と評価の委員は変えるべきでは。
(7) 人材育成において、韓国等で実施されているジグザグキャリアパスの有効性。
(8) 研究投資として自治体投資の重要性(アメリカアルバニーコンソーシアムへのニューヨーク州の50%投資の例)。
(9) 国がどの産業で食っていくかを企画する司令塔の重要性。
(10) ポスドクの活用法は如何にあるべきか。
(11) 官庁の縦割り行政弊害を取り除くための、文科省が中心となった学を巻き込んだ施策実行機能の必要性。
(12) クラスター形成の具体化案はどのようなものか。
(13) 日本ブランドを海外に売り込む仕組みの必要性。

 最後にプラザ伊藤館長から「日本の学の成果を見えるようにするためには、クラスターを大きなサイズにしないといけない。そのためには広域的取り組みが重要であり、地域が見えてこないといけない。」と述べ閉会となった。 長時間に亘る会となり、増子戦戦略官、本当にありがとうございました。

【第六回進行係】 伊藤弘昌(JSTプラザ宮城 館長)
山口一良(JSTプラザ宮城 科学技術コーディネータ)
【世話係】 小池美穂(JSTプラザ宮城 事務参事)

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