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吉成カフェ"Zacばらん"(第十二回)

 
吉成カフェ“ Zac(ざっく) ばらん”とは・・・
「Z : zest」「A : action」「C : coordination」をそれぞれ意味し
コーヒーを傾けながら気楽に意見交換するサロン形式の会です。

【日 時】 2011年12月20日(火)18:00〜20:00
【会 場】 JSTイノベーションプラザ宮城 会議室
【テーマ】 日本にテクノロジーベンチャーを育てる国家戦略を!
【話し手】
瀬戸 篤 氏 (小樽商科大学 ビジネススクール 教授)

 優れた技術を持ちながら、日本はなぜ産業化に結び付くことが少ないのか。様々な分析を通じて、テクノロジー・ベンチャー育成のための方策など、我が国の国家戦略をどう描いていくべきか、ざっくばらんにお話し頂きました。

(1)テクノロジーベンチャーの重要性
 「そこで、ほかにも装置を開発し、ヘフ博士の開発した、敵の船上レーダーを妨害できる装置を製造した。この仕事は、われわれにとって重要だった。新しい技術知識を身につけ、マイクロ波機器事業に乗り出すことができた。この事業拡張によって、戦後、HPはかなりの収益を得た。」
「第二次大戦中、会社の成長とともに、製品の種類も増えた。ビルのオーディオ発振器に続いて、(レーダーに用いられる)波形分析器と数種類のひずみ分析器を設計した。」
「つぎに、高出力オーディオ信号発生器を開発した。この製品は軍用の近接(VT)信管の市場を築いた。」(スタンフォード大発ベンチャー・HP社共同創業者D・パッカード『HPウェイ』1995 より)

<大学発ベンチャーは時として国の命運を分けるほどの技術開発ポテンシャルを有し、国民を救う>


(2)これからの日本製造業とイノベーション
経済のソフト化? バブル崩壊と輸出拡大
日本人固有の強みと新卒&終身雇用の正しさ
終身雇用の副作用と自己矛盾の解決
外部連携によるイノベーションと新産業創出メカニズム

<100%自前主義でうまくゆくはずがない、もっとベンチャーや大学、社員の力を信じよう>

(3)技術アライアンスの重要性
アライアンスとは
系列関係でも元請け&下請け関係でもない。経営資源における相互補完と代替を目的とする、自社にとって重要だが、完全内部化できない新たな経営資源を特殊な契約のもと他社と相互融通する関係。
自社単独事業化の悲劇・・・プラズマディスプレイの開発
1964年米国イリノイ大学が発明
1980年(1964+16) 日本NHKが実用化にメド
1992年(1964+28) 富士通ゼネラル(富士通の家電・映像関連子会社)が、カラー&動画 を可能とする21インチパネル開発
1997年(1992+5) 富士通ゼネラルが世界初42インチプラズマテレビを発売
1997年(1992+5)

パイオニアが50インチプラズマテレビ発売・・・1インチ1万円

2009年(1992+17)

パナソニックは、尼崎市に世界最大1200万枚プラズマディスプレイ 工場完成・・・1インチ5000円の50-42インチ発売開始

2009年 パイオニアはプラズマテレビからの撤退表明
2009年 日立は宮崎のパネル自社製造拠点を閉鎖し、パナソニックからのOEMに切り替え
2011年(1992+19) パナソニックは、プラズマパネルの生産縮小撤退
2011年 シャープは、60インチ液晶生産を強化

<21世紀の日本企業は、社内外に<ベンチャー的組織>の創造が欠かせない。大学と大手企業は、共願特許を前提とするベンチャーを通じた提携が欠かせない>

(4)日本新産業創出戦略
■岡村正東芝社長(当時・東大法卒)は、平成17年1月17日日経朝刊P.29で、「21世紀の日本の発展を支える技術が「大学との連携」「ベンチャーとの連携」から生まれる」と述べた。その理由とは、
@一企業がすべての技術をカバーすることは不可能
A大学は領域融合でイノベーションを目指す際のインターフェースを見つけやすい
Bベンチャーは技術を早く開花させやすい

■国の庇護の下で超過利潤を得られる大手企業中心の社会は終わった。グローバル化の波をうけて、企業内の内部のみ基礎から応用まですべての技術開発コストを一社が負担できない。そのため、一般企業とは全く異なった原理・システム・発想にもとづく原理で動く大学と企業の結び付きは、以前に比べ緊密化せざるを得ない。

■ドイツ製薬企業の過酷な現実。もしも社内で開発中の新薬候補の論文が国内外大学から発表されると、速やかな技術移転交渉が始まり社内研究プロジェクトは中止される。その結果、社内研究チームは廃止され、導入技術の追試プロジェクトへの移転と基礎研究部門リストラによる依頼退職推奨が始まる。

■21世紀の新産業創出は、農業とバイオ医薬が結びつく1.5次産業や、家電と情報サービス機能が融合した2.5次産業など、従来の産業区分を越えた異種技術の出会いによるイノベーションが主流となる。そこで、学際研究が極めて容易な<大学>がイノベーションの主役となる。農学部と薬学部で、農産物を由来とするあらたな新薬を開発するプロジェクトは同じ大学内で本来は容易なはず。



<我が国21世紀新産業を創出するには、大学内における異種技術新結合成果を、速やかに企業における新技術・新製品に反映させることが重要。イノベーションの果実を早く手にするには、我が国産業界が大学と真剣にアライアンスパートナーを組むべき時代が到来している>

【第12回進行係】
【世話係】
伊藤弘昌(JSTプラザ宮城 館長)
小池俊行(JSTプラザ宮城 事務局長)

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